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別にモテたいわけじゃない。
でも、同じ双子なのに…
私達の周りを取り巻く人間は私以上に美咲を女扱いしていた。
大体、水樹って名前…本当は美咲に付けられる予定だったらしい。
うちのどっか抜けてる両親が私と美咲の名前を逆にして提出してしまったのだ。
確かに美咲は私から見ても小さい頃から綺麗だと思う。
でも一番許せなかったのが、私が中学の時好きだった先輩に美咲が好きだと言われたことだ…
なんで男の美咲に…
どこにいっても私より美咲が優遇される…
同じ双子なのにどうして?
クラス分けの紙が張り出された大きな掲示板の前に水樹は眉間にしわを寄せながら立ちすくんだ。
「水樹…。」
美咲は水樹の様子がおかしいので少し心配そうに声をかけた。
「何…。」
ふてくされたように答えた水樹だったが、美咲は全く気にすることなく話を続けた。
「僕達、同じクラスだ…」
「っ……!」
水樹の視線が一気に掲示板にかかれているであろう自分の名前を探し始めた。
「また…」
「うん、まただね…」
幼稚園、小学校、中学と今まで同じクラスでなかったことなど一度もなかった二人…
水樹は高校こそは…
と考えていたがむなしい結果となった。
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