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サージがモニターに目を凝らすと、鉄とコンクリートで造られ、今は瓦礫の山と化した坑道の先に、白い点が2つ見えた。まだ地上にいる。   それは間違いなく敵機で、彼は一瞬息が止まるのを感じた。   『散開!』   サージがブギィの怒鳴る声を初めて聞くのと、敵の発射弾の列が機体の脇を掠めていくのは、殆ど同時だった。   3機は編隊を解き、それぞれの進路をとる。   サージは一挙に高度を落として地表近くを飛びながら、敵銃の放つ射炎の位置を見逃すまいとした。   「はっ、はっ」   ヘルメットの中で、自らの呼吸音が耳障りに木霊する。マスクの裏側が生暖かく、湿っぽい。   敵の配置を掴むと、サージは素早く周囲を視察した。   坑道は広く、直径1キロメートルはある。また、天井の数箇所からは光の柱が降りていた。   「確か上にはまだ生きている電荷槽があるはず。その光が漏れているのか」   自分に言い聞かせる。そして、戦闘するのに不便しない広さと、ある程度の視界が確保できることを知った。   それから機体をやや上昇させると、間もなく敵の1機の掃射を見舞われた。   サージは機体を左右に振り、弾と、それが当たって崩れる瓦礫を避けた。   視界の端で、どこかに向かって飛び立つもう1機の敵を認めた。ブギィかクリスかと戦うためだろう。
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