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「何で泣くんだよ」
冷たい声で彼が言って、わたしはただぶんぶん首を振って、涙をむりやり拭う。
「泣くくらいなら、そんなに嫌なら、離れていけばいいだろう」
「…やだ」
彼がまたなにか早口で怒鳴って、立ち上がって、脇に積んであった本の山を蹴飛ばす。
あぁぁあああああ、もうぅううううううう!と頭を抱えてうなり出す。
「なんでなんだよもぅぅううううう!!
出て行けばいいだろう、馬鹿野郎、変態、マゾヒスト!!!」
彼はわたしに圧し掛かって、髪の毛を引っ張って、しまいには首を両手で掴んでぶんぶん振る。
わたしの頭はぐわんぐわん揺れる。
なんでなんだろうなぁ、ぼんやり考える。
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