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「じゃあ言わせてもらうけど、君の“好き”の定義は一体何なんだ?」
どこからどうなって『じゃあ言わせてもらうけど』となったんだろうなぁ。
わたしはそう思いながら、うなるのを止めた彼の顔をじっと見つめる。
真っ暗なこの部屋でも、ぼうっと青白いのがわかる。
元々はとても整っているはずの形の唇は、歪められて吊り上がっている。
二重の優しそうな瞳は、ぎらぎら光ってぜんぜん優しそうに見えない。
不思議。
「ただすきなだけだよ。
ずっといっしょにいたいだけだよ。
それが“すき”ってことじゃ、いけないの?」
わたしの声が、薄暗い部屋に静かに響く。
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