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彼がおかしそうに笑い声を上げた。
そしてくっくと笑ったまま
「じゃあそれは、いつまで?」
とわたしに訊いた。
わたしは迷わず、
「いつまでも」
と言った。
笑っていた彼が急に真顔になって、わたしを睨みつける。
「そんなことは不可能だ」
冷たくそう言い捨てて、ゆっくりと口を開く。
「恋愛とか、誰かと誰かが一緒に生きるっているのはさ、普段ふとしたときに感じるどうしようもない寂しさとか孤独とかを、払拭するものでしかないんだよ。
僕らはとても、虚しい生き物だからね。
誰かと居る方がまだ少しだけ温かいし、ましなことを知っているんだ」
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