キスして。

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 びくんと肩が跳ねる。  「織科、気味の悪い顔で寝るな」  「んぁ――…」  寝ぼけ頭で自分をひっぱたいた人物を見ると、先刻まで国語教師だった筈が、数学教師に入れ代わっている。  なんてマジックだ。  「せっかく織科くんチョー可愛く寝てたのにぃ」  「センセーエムケーワーイ」  「お前はどこの国の言葉を話してるんだ」  どうやら自分は眠っていたらしい。ふわりとあくびをして、織科は再び机に伏した。今すぐ寝れば夢の続きが見られるかもしれない。  「お前はまた寝るな」  「痛」  また叩かれて今度こそ目が覚めてしまった。
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