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真尋の持ってた織科のイメージ。
膝を高く上げる。
腰の位置が高い。
力みもなく自然に前後する腕。
フォームが綺麗。
長い髪がその速さを示す様に靡く。
いつも笑っている。
いつも女の子と一緒にいる。
いつもたくさんの人に囲まれている。
明るくてしっかり者。
そんな後輩。
「真尋先輩、一緒に帰りましょう」
シーブ○ーズの匂いなんかしてきそうな爽やかな笑顔。
「別に構わな…」
「綾瀬ー、ラーメン食って帰ろーぜ」
真尋の後頭部から声がぶつかって少し前のめりになる。
「ごめん!俺、先輩と帰るから」
なんだかその対応も何かと思う。別に、帰りくらい一人で帰れる。
「…食い行けよ」
スパイクを履き換えて、鞄に押し込み、その鞄を肩にかけた。
「別に一人じゃ帰れない訳じゃないし」
いつも先輩と一緒に帰ってるんじゃ、友達づきあいだって悪くなる。たまにはちゃんと同学年の友人に付き合うのも大事だ。
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