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綺麗な夕陽を浴びた妻は笑って言った。
「そうでしょう」
弾むような声色だった。私もつられて楽しくなり、はやって訊いた。
「で、どんな約束なんだ」
妻は少し嬉しそうにうふふと笑い、天井を仰いだ。
「私は、明日までに必ず死にます」
私は息が止まった。ごほごほとむせこんでいる私に、これが約束と妻は続けた。
私は胸を叩き、呼吸を整えて言った。
「あんな医者の言う事など真に受ける必要はない。あれは嘘なのだ」
私が必死に説明しても妻は微笑むばかりで、約束を取り消そうとしない。
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