部活って流れで入る人が多いけど、後から後悔すると思うよ?

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「おいしいか?ルーク。」 麗奈が心配そうに訪ねてくる。 「う…………うまい!」 一つだけ言っていいか? む、無理だオボロロロロロロロロロロロロロロロロロロ。 「そ、そうか! それは良かった!」 麗奈は喜んでいる。 誉められて嬉しかったんだろう、が俺は苦しい。 「はい、アーン。」 麗奈が卵焼きをこっちに出しながら、そう言ってきた。 まだ地獄が続く…………だと? 「あの、何をやってるんですか、麗奈サン?」 「アーン。」 さっきから麗奈がアーンとしか言ってない。 回りからの目が痛いから、できない…………。 それに一口で俺の胃は限界を迎えたようだ。 「ルーク、一緒に飯食おうぜ!」 智貴ィ! ナイスタイミング! 何か恐ろしい気配を感じ後ろを振り返ると…………。 「智貴、こっちに来い。」 麗奈の声が教室全体に届く。 麗奈の声が大きかったわけじゃない。 麗奈のオーラにクラスの皆が黙ってしまったのだ。 「ヒィィィ!助けて!ルーク!」 智貴の悲痛な叫び。 「すまない、智貴…………。 俺には…………何もできない…………。」 「イヤァァァァァァ!」 智貴………… 俺はお前のお陰で助かった。 安らかに眠ってくれ…………。
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