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ガタン
キイ…
鉄の扉が開き、重くきしむような音が響く。
そして僕は…
「ゼエ…ハア…」
とても疲れていた。
「だ、大丈夫?直樹。」
「うん…。大丈夫大丈夫。」
本当はきついんだけどね。由紀はどうしてあまり疲れてないんだろ…?
「僕も年かな…?」
呟いてみる。
「何言ってるんだか…。まだ15歳でしょ?」
あ、ちゃんと返してくれた。
「まぁね。…ってか、ここに来たのはそういう事を話すためじゃなくて。」
「何?」
「えっと…さ。どうする?僕達の関係を公表する?」
半分公表したようなものだけどね…とは言わなかった。まだ付き合って間もないのに余計な傷をつけたくなかった。
「え?公表しないの?」
「…するの?」
できれば人前に立つのは勘弁願いたいんだけど。
「あたしとしては、余計な告白もなくなるし、できればしたいなーって思ってるんだけど。」
なるほどね。
「じゃ、しようか。」
「うん!」
由紀が笑う。
ちょっと、ドキッとした。
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