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「なんで僕なんかを好きになったんだろうな…」
自分の事を思い返してみる。
髪はボサボサだし…
顔?
う~ん…無い無い。
僕、無表情だもん。
身長は低い訳じゃないけど、目立って高くはないし。
ファッションとか考えないし。
勉強は…
うん。まぁ普通だな。
成績は中の上だし。
運動は全然できないな。
50m走は8.2秒だったし。
あ、でも肩は普通くらいだ。去年の遠投が25mだった。
唯一できるのは…水泳?
うーん…
性格はまずないな。
優柔不断でネガティブで暗くて…etc.だし。
………………
まったくいいところ無くないか?僕。
ま、「地味」を擬人化したような性格を目指してるから仕方ないかな。
「う…ん…」
お、由紀が帰ってきた。
「お帰り。由紀。」
「あ…うん。ただいま。」
この後しばらく、由紀はぼんやりしてた。
「あ、そうだ!直樹、今何時?」
「1時間目のど真ん中。サボっちゃった。」
「あ…ゴメンね?」
「いいよ。楽しかったし。」
「そうだよ、元はといえば、直樹が変な事…を……」
思い出したのか、また顔が赤くなる。
「お~い。もう飛んでいくなよ?」
「あ、うん。大丈夫。
とにかく、原因は智也なんだからね?」
「ははは…ゴメンって。まさかあそこまでいい反応してくれるとは思わなかったんだよ。」
「もう…っ」
由紀が頬を膨らませて怒っている事を強調してるけど、全然怖くない。
むしろかわいく見える。
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