屋上で。

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「ねぇ、由紀?」 「何?」 「由紀は、僕のどこを好きになったの?」 「ん~、優しいところ…かな?」 「他には?」 「他?うーん…他には…」 悩むんだ(汗) うーん…優しいってだけで僕と付き合ってるのか? なんていうか由紀って… 「物好きだねぇ。」 「いいじゃん…。 そりゃあ、第一印象は最悪だったよ。笑わないし、無愛想だし、暗いし。」 そんなに思われてたのか。そこまで言われると、なんかショックだ。 「でも、直樹を意識し始めたのは、5月くらいからかな。」 5月…か。 今7月だから2ヶ月前だな。 「直樹さ、死にかけの猫を拾った事あるでしょ。」 猫…か。 アイツの事かな? 「結局何もできずに死んじゃったけどね…。っていうか見てたのですか?」 「見てたのですよ(笑) びっくりしちゃった。普段の直樹からは想像できなかったもん。」 「ふーん。そうなのか。」 「ふーんって、自分で聞いてきたのに、反応薄いなぁ。」 「ちょっと思いだしたらブルーになったんだよ。 そろそろ戻ろうか。チャイムの5分前だし。」 「うん。」 そして屋上を後にした。
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