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「ふ~。よし、落ち着いた。」
「で、どうしたんだ?直樹。」
「どうしたじゃないよ!駆け落ちってなんだよ!」
「いや、見たまんまだよ。手を引いてどこかへ走り去って行く…。」
「いや、でも、もうちょっと…ほら、別の言い方があるだろ?」
「いや、ほら…駆け落ちの方がおもしろいから…「天誅!!」…ぐはぁっ」
あまりに爽やかすぎる笑顔でかなりムカつく事を言いだすから、思わず足の付け根に膝を入れちゃったよ。
モモカツっていうんだっけ?これ。
「……!……!」
目の前では智也が無言で悶えている。
ま、天誅だし。仕方ないよね。
私怨が7割くらいあるけど。
「それは天誅じゃなくてただの恨みだろ…!」
「あ、智也。喋れるようになったんだ。てか、勝手に心を読まないでよ。」
「いや、お前の顔に書いてあるというか……、そう、お前の笑顔がなんか黒いんだよ!」
「それは大変だ。由紀が帰ってくる前に顔を洗ってこないと。」
いつまでも顔が汚れてるのも嫌だしね。
「この…天然野郎ぉぉ!!」
智也の叫びはむなしく木霊するのであった…なんてね。
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