オセロは前半調子いいと負ける

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「さぁて、それじゃ今度は私のターンといかせてもらいますか」 「私のターン?何かの冗談ですか? まさかあの程度の霊撃で私に勝てるとでも?」 「勝つ?そんな冗談誰が言ったよ?」 そう言って、私は屈んで手のひらを地面に付けた。 「……? いったい何を……?」 美鈴が怪訝な顔をする。 私はそれをニヤニヤしながら見る。 「私はあんたに勝てるだなんて毛頭思ってねぇ。 だが、大人しく負ける気もさらさらねぇ。 だから……」 さっき反射的に掴んだ感触。 あれを思い出せ……。 「……まさか」 美鈴が気づいたようだがもう遅い。 「逃げるんだよォ! どけーッ、読者どもーッ!!」 手に力を集中させ、一気に放つ。 すると、霊撃によって地面の砂が舞い上がり、砂埃によって即席の煙幕が辺りを包み込んだ。 「――――ッ!!?」 砂埃によって美鈴は一瞬怯み、視界を遮る。 (よっしゃあ!!ざまぁwwwww) その隙に、私は魔法の森の中に逃げ込んだ。 「……ふぅ、逃げられたか」 砂埃が落ち着いた頃にはすでに人間の姿は無かった。 「ほっといてもいいんだけど、なぁんか嫌な「気」がするんだよなぁ」 ちょっと、あの人間の気を追ってみようかな。 門番は……、まぁいいか、魔理沙にも逃げられてどうせ怒られるんだし。
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