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「だめ」
「そーなのかー。
それじゃ、いただきまーす」
「ちょっと待て、だめって言ったのになに勝手に捕食しようとしてんの!?」
「だってー、お腹減ったんだもん。
そんなときにわたしのところに来たあなたが悪いんだからねー
おとなしく食べられろー」
「やめたほうがイイヨ~。
ワタシおいしくない、食べてもおいしくないヨ~」
「良薬口に苦しって前に人間が言ってたよー。
だからおいしくない人間も食べてみたいなー。
良薬ってどんな味がするの?」
くそっ、腋巫女め!
いらん事言いやがって!
「それじゃ、食べてもいい?
食べるからねー」
逃げる体力も立ち向かう能力も無い。
万事休す、八方塞がり、絶体絶命。
「うぅ、死ぬ前に一度だけ地霊殿のノーマルをクリアしてみたかった……」
ふっ……、こんな最期も悪くない……。
「かんねんした?いただきまーす」
「とでも思っていたのかぁッ!!」
砂を手に掴み、目の前の闇に向かって投げつける。
「ふえぇッ!!?」
まったく何にも見えないが、どうやら効いたようだ。
「この私が大人しく捕まるわけねーだろバーカバーカ!!
死ぬ瞬間まで無駄な抵抗し続けてやんふごォッ!!?」
踵を返して走り出した瞬間、木に顔面から思いっきりぶつかった。
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