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障子を突き破り、庭に見事なヘッドスライディングをかます私。
朝の洗顔にしてはハードすぎると思う。
「…………痛い、かなり痛い」
当然の感想。
「あら、生きてたの?
意外と丈夫ねあなた」
それにしてもこの腋巫女、外道である。
「見ず知らずの人の布団に潜り込むだなんて、なかなか乙な趣味をお持ちなようね」
陰陽玉を手に持って庭にうずくまる私に冷ややかな視線を送る霊夢。
まだ陰陽玉撃つ気ですか、清々しいまでに外道だなコイツ。
「悪いけど、そんな変態じゃないぞ……。
起きたら突然お前の布団に入ってたんだよ、決して私は変態じゃない、変態じゃない」
重要なことなので二回言いました。
「……妖精でももっとまともな言い訳をするわよ?
それとも何かしら?知らない間に幻想入りをしていて、いつの間にやら私の布団にいたとでも?」
「……きっと、そうなんだと思うぜ?」
沈黙が流れる。
そして、霊夢が深い溜め息を吐いた。
「…………はぁ、まさかとは思ったけど、またスキマの仕業かしら」
……やっぱそうなのかなぁ。
まぁ、そうとしか思えないが。
めんどくさいことになってきた気がする。
めんどくさそうに頭を掻き、先ほどとは違った目で霊夢はこっちを向き直した。
「一応、自己紹介をしておくわ。
私の名前は博麗霊夢。
この博麗神社の巫女よ。」
あぁ、やっぱ幻想入りしちゃったんだ私……。
……とりあえず、顔が痛い。
寝間着にしていたジャージをはたいて起き上がる。
ハードワークをしても傷ひとつ付かないジャージ素敵。
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