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夏もだいぶ終わりに近付いているということもあり、庭には落ち葉がちらほらと見受けられる。
まぁ、この程度の量なら庭掃除もそこまで時間はかからないだろう。
さっさと終わらせるか。
そうして、庭掃除を始めた私を眺めながら、霊夢は縁側でお茶を啜っている。
人に働かせといて自分は休憩ですかそうですか。
けど、そんな姿が可愛いから許す。
お茶飲んで「ほわぁ~」っていいながら暖かい日を浴びて和んでる姿が可愛いから許す。
「そういえば、あなたは妖怪に出会ったらどうするつもり?」
背後から突然、スキマから顔を出した紫に話しかけられる。
そこはかとなく心臓に悪いからやめていただきたい。
「あなた丸腰なんでしょ?
森で人喰い妖怪にでも会ったらイチコロよ?」
う~む、それもそうだな……。
「何かいい自己防衛手段でもないものか……」
私が首を捻って考えていると、何かを思い付いた様子の紫が霊夢を呼んだ。
「霊夢~、何か御札でもあげなさいよ」
「ふぇ?」
完全にOFFモードだったのか、話を聞いてなかった様子の霊夢。
可愛いなぁ、もう。
「何か使える御札ぐらいいくらでもあるでしょ?
一枚ぐらい、彼女にあげときなさいよ」
「そうねぇ……。
私があげなかった所為で死なれても後味悪いし……」
少し考えて、霊夢は神社の中に入っていった。
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