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「あなた結華さんですね。」
若い声がした。
顔を上げてみると自分よりも少し若い兵士、いや格好から見て武将だろう。
頷くと手を差し伸べられて、その手を握ると馬から優しく降ろされた。
「殿がお待ちです。どうぞこちらへ…。」
武将に連れて行かれたのは美しい城だった。
忠征様の城と見劣りしないぐらいの。
「お主が結華か?」
髭を生やした主が座っていた。
それでいて優しい目をしていた。
一目見ただけだが、いい主だと思った。
だから悲しかった。
その後私は吏志の臣下となった。
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