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ズキズキと波が押し寄せてくる感覚がうっとおしい意識が引き戻されるような痛さに目が覚めた、そこに広がるのはクリーム色の天井と日に当たって色褪せたカーテンが風になびいていた
(此処は保健室か…)
痛む頭の中でそれだけ理解して俺は頭を押さえれば誰かの足音が聞こえて来て硬直する、嫌だ今はアイツに会いたくない。
だけどそんな願いが叶うことなんてない
「起きましたか?」
「………」
無言で居ることしか俺にはできなかった、そういえば最後コイツの前で…あれ?何があったんだ?俺は音楽室に向かった…なんか記憶を一部落としたみたいだ思い出せない、ただコイツに会いたくなかった思いはあるのに、そんな俺にアイツは頬に触れてきた
「修二、君階段から落ちた…いや落とされたんだよ」
何泣きそうな顔をしているんだコイツはお前に関係ないのに
「ねぇ修二…僕ね本当心配した…いや、心臓止まるかと思ったんだよ」
「…しらねぇよそんなのお前が勝手に…」
「そう勝手だよ…でも僕は君が気になってしょうがないから」
馬鹿だコイツ、此処は保健室で他に利用者がいるかもしれないのに声を小さくして喋る気がないらしい
「ねぇ触っていい」
「触ってんじゃねぇか」
「言い方が違ったね…抱きしめていい?」
不安そうな表情でまるで捨て犬みたいなしゅんとした雰囲気に俺は折れた
「…ちっなんか迷惑かけたみたいだし今だけだ…ほら」
そう言えば犬なら尻尾振るぐらいの嬉しさに満ちた表情に早々に俺は後悔したことは言うまでもなかった。
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