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「菜月ー。明日、俺、焼きそばパンー」
屋上の一区画。もう当たり前のように、俺と背中合わせに座るあいつに言った。
「…嫌」
「何でだよ?」
「あんたは!知らないかもしれないけれど。焼きそばパンってあっという間に消え去るの。私みたいな、か弱い儚げ少女には無理」
…どの口が、か弱い儚げだなんておっしゃるのか。思わず笑いそうになってしまった。
まぁ、『美』少女と言わなかっただけ、まだマシか。
「へぇー。じゃあさ、明日から『菜月ちゃん』って呼ぶから。教室で」
「あら。光栄ですわね、偽王子」
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