翅翼

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そんな俺らの記念すべき初コンタクトは、本当に偶然。 その頃の俺は、『屋上』という場所を聖地のように思っていた。 広がる空。空気。なにより俺一人ってのがよかった。 そんな聖地に響いた、不快なドアの音。と、声。 「…あ」 「………」 眉をひそめて、振り返った俺。そこには、俺のほうを同じように眉をひそめて見る奴が居た。 「…チッ」 間違えないでもらいたい。舌打ちは俺じゃない。つまり、あいつ。
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