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金髪の女の子は私の姿を上から下までじっくりと見つめる。なんだか値踏みされている気分だ。
「あなたも『魔法研修生』の一人かしら?私より年下みたいだけど、いくつ?」
「え?じゅ、13……」
「私より1つ下ね。わかったわ。どうせ後で自己紹介するだろうけど問題ないでしょ。私は上之宮玲菜。14歳。あなたと同じ『魔法研修生』よ」
この上之宮さんとかいう女の子も『魔法研修生』……。この選考に合格したいわゆる『魔法研修生』は、私を含め3人いるという話はニュースで聞いていた。どうしてなのかはわからないけど、私の見た限りでは私以外の子のことは一切報道されていなかった。そのおかげで私のところに連日多くの記者が来ていたわけだけど……。多分このお嬢様はお金にモノを言わせて圧力をかけていたのかもしれない。
「ほら、いつまでそこに座っているの。研究所はすぐそこよ。早く立ちなさい」
上之宮さんはまだ座っていた私の腕をつかんでズイズイと歩き始めた。お嬢様というのは温室育ちの箱入り娘で体力はからっきしなのかと思っていたら、最近はそんなことはないらしい。最近体重が増えてきている私を苦にすることもなく、どんどん先へと進んでいった。
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