Chapter:1

3/6
前へ
/86ページ
次へ
私が大慌てすることになった手紙の送り主は「日本魔法科学総合研究所」。今の21世紀をとうの昔に迎えた世の中で、大真面目に『魔法』の研究をしているところだ。何故だかその研究は国も熱心らしくて、毎年多額の資金援助を受けている。その額が桁外れで、何年か前に国会で大問題になったことだってある。 その研究所が突然今年の春に、『魔法の実現化に成功したので、何人かの研修生を募集したい』と言い出して話題となった。何でも、世間一般が『魔法』を普通に使える実用化を目指すために、何人か素質のある一般人を選び出し、『魔法研修生』という位置付けで魔法を学びながら適時問題を修正していくということらしい。 そして夏、一部で数万人とも言われる大量の希望者が日本各地で行われた選考に参加した。その話題性から多くの人を呼んだらしい。単なる冷やかしの人や私みたいな遊び半分の人が大半だったらしいけど……。 それが、どこをどう間違えたのか、私みたいなただの中学生が合格してしまって……。どうせだったら、一緒に受けた弥子(やこ)ちゃんが受かればよかったのに。あの子は私よりは真面目に受けてたよ?
/86ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加