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「こんにちは」  女性はにこやかに俺に挨拶をしてきた。  俺は彼女に見とれてしまい、数秒後に軽く会釈をして挨拶を返した。 「ちわ」 「すみません、貴方の携帯番号を見せて頂けませんか?」 「え?」  女性は微笑みながら聞いてきた。俺はすぐに握りしめたままだった携帯からプロフィールという自分の情報が載っている場所を女性に見せた。 「ごめんなさい、いきなり…知らない男の人がね、今日の4時にこの道に通る男性から携帯番号を見せてもらえって指示があったもので…」 「貴方にも指示があったんすか?」 「ええ。あるネットゲームをするとこの電話が来るとかで……知っています?」  ネットゲーム…心当たりは確かにあった。  半年以上も前、俺は友達からネットゲームの誘いメールを貰った。学校に行って、バイトをしての生活で何の変化もない 生活をしていて暇だったので、ネットゲームの誘いはとてもありがたく、俺はすぐに登録をした。  ゲームのルールは簡単だった。  自分だけを信じ、只前へと進んでいくというものだった。  レベルのマックスは100。  100レベルになってしまった俺はゲームに飽き、そのまま放置していたのだが…… 「鬼ごっこっていうオンラインゲームの話っすよね?」 「そうです。決して自分の事を話してはいけないというスリルがあるゲームです」  彼女は自分の話を理解していくれるという嬉しさだからだろうか、ずっと笑顔でいた。そんな顔を見ていると俺も自然と笑みがこぼれた。 「私は智嘉(ともか)。宜しくお願いします」 「…あっ、俺は和希(かずき)す。よろしく」  そうして、握手を交わして俺は智嘉さんを家へと送った。
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