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「いいじゃないですの、あなたはどうせ暇なのでしょう?」 「そりゃそうだが、サッカー部も今日は活動が無いし」 「では決まりです。私はこれから生徒会副会長としての業務がありますので、登校しなければならないのですわ」  いつもどおりの自由奔放な姉貴だ。 「少なくとも説明はしろよ、一体だれからの頼みでどんな所へ行って、何を運べばいい?」 「仕方ないですね、説明しましょう」  人に頼むのに仕方ないもへったくれもあるかよ。 「まず、それはお母様からの依頼です、そして行くのは研究所、運ぶ物は……まあ行けば分かりますわ」 「はあ」 「それと、あなたには同行人を用意しましたの」 「は?」  姉貴が目線を俺から逸らし、別のソファーに座る彼女に向けた。
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