それぞれの朝 (綾)

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「……んで、なんでお前がここに居んだ?」 二階から降りて来て、さっきまで寝ていた脳をなんとか働かせようとするが…普通はその場にいないはずの人間が、悠長に茶を啜りながら「早くしないと遅刻するよ」なんて言ってる状態の中で、びっくりしない人なんて、いる筈…ないよな。 少なくともオレはびっくりしたぞ。 「綾(りょう)、早くしないと遅刻決定だよ」 オレは飯を食おうと並べてあるご飯の前に座ると、不法侵入者がつまんなそうに言い出した。 綾「いやいや、遅刻うんぬんよりなぜ、紗那(さな)がここに居んだ?母さんは?」 紗那「綾のお母さんは、綾がいつまで経っても起きないから、私に任せて仕事に行ったよ!ぁ、弁当だったらそこにあるから」 ぇーと…弁当…弁当……お!あったあった… 綾「ぅん、だからなんでお前がここにいる?」 紗那「え?いや、ほら!いつもなら私を迎えに来てくれるのに、今日はいつまで経っても来ないから、休みかなぁ…と思って来てみれば、なにか忙しそうにしてた綾のお母さんに会っちゃったんだもん」 オレは茶碗半分のご飯と肉二切れを食い終わり、洗面所へ向かった。 .
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