リトル・リトル・ラブ~優しい恋の魔法~

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「お母様!また街がザワついているの。きっとユニコーンに違いないわ!」 ベランダから街を覗きこむ様にして、少女、シュナは行き交う人間を見物していた。 『シュナ!?まぁまぁ…なんてお行儀の悪い事!平民の話は聞かないって、あれ程私と約束したじゃない。ヘンリー、シュナを屋敷へ連れて来て頂戴。』 メイドに髪を整えて貰っている母が、シュナを叱り付ける。慌てて、シュナ専属のメイドが、シュナをベランダから屋敷へ引き戻した。 「だってお母様!私はユニコーンに会いたいのよ。お願い、家庭教師のアンヌ先生を、家へ呼んで!ユニコーンの話をしてもらいたいの!」 この国の姫、という贅沢な身分を持ち合えて居るのにも関わらず、シュナは大股でジダンダを踏んだ。 『いけませんシュナ!!全く、はしたない!良いですか?次、我が儘を言うようならば、お夕食は鰯の塩漬だけにするわよ!』
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