君の背中追い掛けた

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帰りのホームルーム。 いつもと違って、何処と無く不自然な雰囲気を、私はいち早く察知する事が出来た。 大好きな彼が前へ出て、先生の隣に立っている。 彼と先生は、僅かに目を合わせ、次の瞬間、先生が声を張り上げて言った。 「みんな聞け!実はなぁ、和田が転校する事になった。お父さんが転勤する都合により、9月にはもう、和田はいない。皆!精一杯、和田に此処の思い出あげような!」 みんな静まり返った。 当の私は、先生の言ってる事が全く解らなかった。 とどのつまり…。 秋にはもう居なくっていて、隣には誰も居なくって 大好きな人に、逢えなくって……。 視界が自棄に、滲むのはなんで?目頭が熱いのはナンデ? なんで 勝手に好きにさせて、勝手に去っていくんだよ。 貴方はズルイ。 ……ズルイよ。
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