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デート。
「通は何人家族？」
「親父と母さんと姉ちゃんと弟と俺の５人家族だけど…」
朝早く出てきたので、
何処もあいてる訳がなく…
俺は今、ファーストフード店で
愛法の質問責めにあっていた。
「じゃあ…愛法は何人家族？」
「…ボクは…。」
一瞬、愛法は泣きそうな顔になって…
言葉を紡ぐように続けた。
「ボクが…家族と呼べる人は、物心付いた時から…
一人だけ…
でも、ボクをかばって死んじゃった。」
(…俺はこの子になんて言った？)
つらそうな…
震えた声を抑えるように話してくれた愛法に
俺は『ごめん』と言う事しか出来なかった。
「…馬鹿だな!!!通が傷ついた顔しなくてもいいんだよ。
通が結婚してくれれば、ボクと通は家族でしょ？」
(…まだ諦めてなかったんだ…。)
「結婚は無理だけど、今日１日付き合うよ…。何処行きたい？」
「…遊園地!!!日本に来た時、遠くに観覧車が見えて…
一度行ってみたいと思ってたんだ。」
(？…愛法は外国に住んでいたのだろうか？)
「遊園地ね？分かった。」
…ここに引っ越して来てから
ろくに出掛けた事がなかった俺は…
急いで、一番近い遊園地を
ケータイのナビで検索した。
「少し電車に乗るけど平気？」
「うん。日本の電車は、賑やかで好きー。」
こうして、行き先が無事決定した所で…俺達はファーストフード店を出たのだった。
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