追いかけっこ

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    …どうにかして、愛法を… 助けられないだろうか?     周囲の人々も、俺達のやり取りを聞いて… 何事かと、集まり始めた。     男の一人が、それに気づいて…     急いで車に引き上げようと…愛法の腕を引っ張り上げる。     俺は、その逆の愛法の手を掴み… 愛法を掴み上げた、 スーツにグラサンの不審者の手に、噛み付いて… 力が緩んだ隙に、愛法を連れ出した。       「ちょっと…通…何処に行くの?」       「…考えてなかった。」       「わ~っ!!!ちょっと、しっかりしてよ!!!!」       男達は、 野次馬をすり抜けるのに、 思いの他手こずっている様だった。       「…待って…今、考える。」     俺の運動神経だと、猛ダッシュで走り続けるのにも限界がある。     もし、無事に園内から出れたとして… 彼奴等は車だし…     何より…愛法のこの格好… ………目立つ!!!!!       このまま逃げても、すぐ捕まるのがオチだ。           考えろ…考えるんだ…。       頭の中に浮かんだのは、遊園地に行きたいと言った愛法の一言だった。     『…遊園地!!!日本に来た時、遠くに観覧車が見えて… 一度行ってみたいと思ってたんだ。』       …それだ!!!!       「こっち!!!!!」       俺は、愛法の腕を掴むと、一目散に目的地に向かって、走り出した。    
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