5人が本棚に入れています
本棚に追加
/26ページ
…どうにかして、愛法を…
助けられないだろうか?
周囲の人々も、俺達のやり取りを聞いて…
何事かと、集まり始めた。
男の一人が、それに気づいて…
急いで車に引き上げようと…愛法の腕を引っ張り上げる。
俺は、その逆の愛法の手を掴み…
愛法を掴み上げた、
スーツにグラサンの不審者の手に、噛み付いて…
力が緩んだ隙に、愛法を連れ出した。
「ちょっと…通…何処に行くの?」
「…考えてなかった。」
「わ~っ!!!ちょっと、しっかりしてよ!!!!」
男達は、
野次馬をすり抜けるのに、
思いの他手こずっている様だった。
「…待って…今、考える。」
俺の運動神経だと、猛ダッシュで走り続けるのにも限界がある。
もし、無事に園内から出れたとして…
彼奴等は車だし…
何より…愛法のこの格好…
………目立つ!!!!!
このまま逃げても、すぐ捕まるのがオチだ。
考えろ…考えるんだ…。
頭の中に浮かんだのは、遊園地に行きたいと言った愛法の一言だった。
『…遊園地!!!日本に来た時、遠くに観覧車が見えて…
一度行ってみたいと思ってたんだ。』
…それだ!!!!
「こっち!!!!!」
俺は、愛法の腕を掴むと、一目散に目的地に向かって、走り出した。
最初のコメントを投稿しよう!