追いかけっこ

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    「通…何処…行くの?」     俺は、肩で息をし始めた愛法を お姫様抱っこで、抱き抱えると… アトラクションの門をくぐった。     「…っお前…見かけと違って…重い…。」       「し…失礼だなぁ…。結構細いよ?ほら…」       愛法は、そう言って自分のブラウスをお腹の上まで捲り上げると、誇らしげに見せた。       「わ~っ///!!!っ…お前…仕舞えって!!!!」       俺は、愛法にブラウスを仕舞わせ…改札で、回数券二枚渡して…観覧車に乗り込んだ。       「ふう…これでしばらく大丈夫だ…。」      俺はそう言うと、愛法と向かい合わせに座った。      「うわっ。下見て…通…。彼奴等慌ててる。」     下には、やっと追いついてきたグラサンにスーツの三人組が…じっと、上を見ていた。       「とりあえず、これで15分は大丈夫だけど…、愛法…?この作戦には、致命的な欠陥があるんだ!!」       「…え?」       「下に降りる時、待ち伏せされて、捕まる可能性がある。」        「ええっ!!!ど…どうしよう通~っ!!!(泣)。」     …俺達に、何か出来る事があるとすれば…たった一つだ。   「愛法…高い所平気?」              俺は、観覧車の上のの部分を押し上げ、まず自分が上に上がると…愛法を引っ張り上げた。     「奴らが中に探しに入ったら、隙を見て逃げるぞ?」       「…うん。通、有難う。」      「それは、逃げきってから聞かせて?」       俺が笑ってそう言うと、愛法も笑って首を縦に振った。        
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