追いかけっこ

6/6

5人が本棚に入れています
本棚に追加
/26ページ
      「無駄だ…。的は外れたが、これで動けまい…。 aR-03は俺達が回収する。」         「お前等なんかにやるもんかっ!!! 俺は絶対に人殺しの為に、こいつの体を使わせたりしないっ!!!! …愛法は、これからもっと幸せになるんだ。おじいさんの分も… 愛法は戦争の兵器として、生まれたわけじゃない!!!!」       「…生まれる…?造られるの間違いだろ?」         冷めた声が辺りに響いた。   こんな奴等と一緒に行っても愛法は…きっと、幸せにはなれない。         俺は、愛法が抱えていた黒猫のぬいぐるみを拾い上げると…         そいつ等に向かって思いっきり投げた。       黒猫は地面に激突して小規模の爆発をし… 白い光と音になって飛び散った。   コレは…駆けだった。が、俺の思った通りになった。    後に残ったのは白い煙と焦げ臭いにおいだ。       「せっかくの爆弾だけど…外れちゃったね?」       さも、下手くそと言わんばかりに、男の一人が笑った。     けれど…俺にとって当たろうが、当たるまいが、どうでも良かった。 欲しかったのは …この煙だ。         「…くそっ…お前等帰るぞ?」      「何故だ?もう少しで捕まえられるのに!!!!」         「さっきの銃声で… 近くまで来ている警察が、煙に気づいたら… 俺達が、捕まっちまう。」       …そうゆう事だ。       「お前…なんて名前だ?」       「羽柴通…。」       「覚えておこう…。」      
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加