親友の企て。

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      俺は、羽柴 通(はしば とおる)17歳。 ごく普通の高校生だ。   家族は 仙台に出張中の父親とパートで働く母親、泣き虫の弟、鬼のような姉の5人家族。     料理は、パートで夜まで働く母に変わって 三年前から俺の仕事だ。…ちなみに姉は料理が壊滅的に苦手だ。     俺が部活のため、一時期姉が夕飯を作ってくれていたこともあるが…   アレは、最早食える代物ではなかった。    野菜って燃え…いや…炒めるとこうなるんだなぁ…的な…?   あのまま食べ続けていたら、俺と弟は確実に病気になっていたに違いない。     そこで、中学時代 俺は部活をやめた。   弟と自分の命がかかっているのだから仕方ない。     …俺に選択の余地などなかったんだ。     そんなこんなで、顔も運動神経も並みな俺だけど、料理の腕には自信があった。     ちなみに、今日の夕飯は大根の煮付けだ。     放課後 スーパー浜松の特売の大根を買って作る予定だ。       キーンコーン カーンコンと機械的な授業終了のチャイムが鳴り、退屈な数学の時間の終わりを告げると…     俺は弁当箱を取り出した。    
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