生徒手帳の行方…。

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生徒手帳の行方…。

    (無い…無い…無い~(泣)。)     …俺が、生徒手帳の紛失に気づいたのは…今朝の事だった。   家の中やカバンの中、制服のポケットなど… くまなく探し     一部の望みだった 教室の机の中にも無い事が… 今…判明した。     「…おかしいな…何処に落としたんだろ?」     朝から 探し通しの俺は、机にぐったりと沈み込んだ。     「羽柴…おはよー?ってか…疲れてるね。」       「沢村…おはよ…」     俺は机に突っ伏したまま、片手を軽く上げて返事すると、頭の中で、昨日の行動を振り返っていた。      昨日の俺は最悪だった。 沢村に勝手にバイトに応募され… 落ちてきた白い熊が爆発し… 不思議ちゃんには絡まれ… 生徒手帳をなくし… 極めつけが…大根を買い損なって メニューを変更せざるおえなくなった。     「今日は良い日になるといいなぁ…」   俺がため息を付くと 沢村が振り返った。    「親父くさいなぁ…羽柴…。 …それはそうと、面接明後日の9時からだから。覚えとけよ!!!」     俺は少し顔を上げると… 満面な笑みの沢村と目が合った。   「…忘れてた…それもあったんだ。」       …忘れたかった…と言った方が、該当するかもしれないが…     「…おいおい…もう記憶力の低下する年か?当日は迎えに行くから覚えておけよ?」   妙に張り切る沢村を横目で見つつ… 俺は、一時間目の小テストの予習をし始めた。     それにしても…生徒手帳… 何処に落としたのだろう?     昨日歩いた所も 一通り見て回った結果…   分からなかったのだからしょうがない。     (誰か親切な人が拾って届けてくれたらいいけど…)             …心配の元となっていた 生徒手帳が見つかったは、 思っていた以上に早く…     次の日の早朝6時頃のことだった。      
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