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『ピンポーン…ピンポーン』
朝から
けたたましいインターホンの音で飛び起きた俺は…
眠気眼で玄関へと急ぐ…
今日は、パートが久しぶりに休みなので
寝ている母親と…
学校が休日のため
寝ている姉と弟が、起きてくる気配はまるでない。
『ピンポーン…ピンポーン…』
「あ…はいっはい~っ、今でるから待って!!!!!」
慌てて足にサンダルを引っ掛けると
俺は、玄関の戸を開けた。
「よっ!!!」
戸を開けて 立っていたのは
見覚えのある
ボブカットの中学生位の女の子で…
服は、白いフリルのブラウスに黒のリボン…
黒のショートパンツで…
赤と黒のロングソックスを黒のガーターで止めている。
靴は、白い革靴で…髪には大きな白いレースのリボンが付いていて…今回は黒猫のぬいぐるみを持っていた。
「…なんで家が分かったの?」
「ボクに分からない事は無いんだよ。通。」
「!?…なんで…俺の名前…」
「ふふっ…運命的でしょう?」
驚きの余りに、
呆然と立ち尽くす俺とは対象的に…
女の子は至極楽しそうに笑った。
「…ってゆうのは冗談で…はいコレ。」
「え…俺の生徒手帳?」
「…通さぁ
あの時、後ろから叫んだのに…
急いでて…行っちゃったから…」
「…君が拾ってくれたの?」
「そう…あと…君じゃなくて愛法(あいる)って呼んで?」
「そう…か。とりあえず…ありがとう。愛法。」
早朝から来た
この子の常識のなさはどうかと思うが…
悪い子ではないらしい…。
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