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「…はあ」
「あ?」
「君は本当に馬鹿なんだな」
「うっせえよ」
見えなくても解る。
今、目の前にいる彼は思いっきり自分を馬鹿にした目をしているはずだ。
「そんな小さいものじゃないよ」
「心当たりが多すぎてわかんねえよ」
「解らないならそれでいい。いつか君からも手に入れて見せるから」
「な…」
何を だ。
そう聞こうとしたが、布越しに頬に何かが触れる感触がした次の瞬間。ばさりとマントを取り払われた一瞬のうちに彼の姿は消えていた。
玄関には、彼の持ってきたカボチャのランタンが一つ。
中にはキャンディが一つ入っていた。
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