57人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
「ったく、何がしたかったんだあいつは」
最初から来ると解っていれば、もう少し良い物を用意してやっても良かったのに。
勿論。間違っても本人を目の前にして言うことはないのだけれど。
日付も変わり、もう既に用無しとなってしまったカボチャのランタン。
なんとなく、このまま捨ててしまうのも可哀想な気がして、ベッドの横のサイドテーブルの横にそっと置いてやった。
「なんなんだよ、盗っていったものって」
誰に言うとでもなく、そうひとりごちるが元々深く考えるのは苦手なのだ。
解らないなら次に会った時に聞けばいい。
そうだ、その時には帰りしなに何かしたか も聞いておかないと。
ゆっくりとやってきた睡魔に思考は中断され、結論を出すことを放棄してベッドへと寝転がった。
§§終§§
最初のコメントを投稿しよう!