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時間は、そろそろシンデレラの魔法が解ける頃。
あと少しで11月。
ちらりと壁の時計に目を遣ってそう時間を確認すると、シャワーを浴びたばかりの濡れた髪をタオルでがしがしと乱暴に拭った。
そう言えば、今日は何かする事があったような気がする。
しかしそれが何か思い出せない。
思いだせないのなら大した用事ではないのだろう。
元々、深く考えることが苦手なこの男はあっさりとそう結論付け、冷蔵庫から取り出したミネラルウォーターの瓶に口を付けた。
ピンポーン。
アパートのインターホンを誰かが押した。
ピンポーン ピンポーン ピンポーン ピンポーン
「あああもう うっせえな!」
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