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こんな時間に誰が何の用だ。
一瞬。そう怒鳴りつけようと口を開きかけるが、じきにこんな時間にこんな非常識な事をする人物を一人だけ思い出し、ため息をひとつつき未だ鳴り続けるインターホンを止めるため扉を開いた。
「trick or treasure♪」
歌うような声と一緒に、プラスチックで作られた玩具のカボチャランタンが目の前に突き出される。
「…ああ、そうか、今日はハロウィンだったか」
ここ数日面倒な仕事が続きすっかり忘れていた。
町を歩けばそこらじゅうオレンジ色に染まっていたと言うのに。だ。
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