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「お前もつくづく暇だな」
「まさか、僕は君以上に忙しい毎日を過ごしているつもりだけど?」
そうは言うが、カボチャのランタンを片手に目の前に立つ男は、いつかのミッションで彼が身に着けていた黒マントとマスク姿。
わざわざこの格好でうちまで来たと言うのなら暇以外の何だというのだ。
「似合うだろ」
「まあ、似合うけどな?」
「ほらほら。このカボチャに入れるべきものがあるはずだよ」
カボチャを目の前に突き出しにこにこと笑顔の彼に、ため息がひとつ。
彼はいつからそんなキャラクターになったのか。
「…っつっても、俺んちには菓子なんかねえぞ」
甘いものと言えば砂糖くらいか。
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