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でも離さない兵部。
「ふぅん、つれないねぇ…そんなに嫌かい?」
「嫌も何も、お前の栄養補給に付き合ってやる義理はない!」
「…………は?」
「だから、敵であるお前にくれてやる生命エネルギーなんて一滴もないと言っているんだ! わかったら離せ! っていうかいつからお前も管理官みたいに他人からエネルギーをとるようになったんだ? やっぱり自力じゃ老化抑制にも無理があったのか?」
「…………ああ、そうかもね」
「っ、と…兵部?」
兵部、皆本を降ろし、至極真剣な顔で見つめる。
「……皆本クン、今から僕が言うことの意味を、ちゃんと、本気で、真面目に、真剣に、考えてみてくれるかい?」
「何…?」
「もし僕が不二子さんみたいに人からエネルギーを吸い取ることにしたとしても、僕は君からしか頂く気はないよ」
「…それは、お前の敵である僕をできるだけ衰弱させたいから、だろ?」
「ははは…………君に期待した僕が馬鹿だったよ」
兵部はがっくりと肩を落とし、深い深い溜め息を吐くと、静かに浮かび上がる。
「……今日のところは引き上げるとしよう。またな、バベルの諸君」
「あっ、おい待て兵部っ! ……ったく、結局嫌がらせをするためだけにきたのか…どんだけ暇なんだあいつは……って、どうした君たち?」
賢木・薫・葵・紫穂、兵部の消えたほうを同情の篭った目で見る。
「京介…」
「かわいそうに…若干涙目だったわよ」
「あれはかなりキツいやろ…」
「敵ながら、同情を禁じ得ないな…」
「だから、何の話だ?」
「「「「………………」」」」
「なんだそのかわいそうなモノを見る目は」
「いや…」
「何がかわいそうって…」
「こんな鈍感を極めたようなやつに引っ掛かっちまった俺らが一番、」
「かわいそうよね…」
「意味がわからない!」
「「「「はぁ……」」」」
「人の顔を見て溜め息を吐くなぁあ!」
その頃のP.A.N.D.R.Aアジト。
「……どうされました、少佐?」
「僕はそんなに人を誘惑するのが下手かな、真木……」
「しょ、少佐!? 一体何が…」
『アンマリ触レテヤルナ、泣キタイ夜モアルノサ、男ニハ…』
「いたのか桃太郎…」
***
何が言いたいかっていうと、みんなのアイドル皆本さんの鈍感っぷりはもはや凶器ってこと(←
H21.4.1作成
ハマった初期のものなのでいろいろと典型的ですね…。
そして小ネタにあるまじき長さ。
H21.11.4 Up
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