蔵出し小ネタ①

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でも離さない兵部。 「ふぅん、つれないねぇ…そんなに嫌かい?」 「嫌も何も、お前の栄養補給に付き合ってやる義理はない!」 「…………は?」 「だから、敵であるお前にくれてやる生命エネルギーなんて一滴もないと言っているんだ! わかったら離せ! っていうかいつからお前も管理官みたいに他人からエネルギーをとるようになったんだ? やっぱり自力じゃ老化抑制にも無理があったのか?」 「…………ああ、そうかもね」 「っ、と…兵部?」 兵部、皆本を降ろし、至極真剣な顔で見つめる。 「……皆本クン、今から僕が言うことの意味を、ちゃんと、本気で、真面目に、真剣に、考えてみてくれるかい?」 「何…?」 「もし僕が不二子さんみたいに人からエネルギーを吸い取ることにしたとしても、僕は君からしか頂く気はないよ」 「…それは、お前の敵である僕をできるだけ衰弱させたいから、だろ?」 「ははは…………君に期待した僕が馬鹿だったよ」 兵部はがっくりと肩を落とし、深い深い溜め息を吐くと、静かに浮かび上がる。 「……今日のところは引き上げるとしよう。またな、バベルの諸君」 「あっ、おい待て兵部っ! ……ったく、結局嫌がらせをするためだけにきたのか…どんだけ暇なんだあいつは……って、どうした君たち?」 賢木・薫・葵・紫穂、兵部の消えたほうを同情の篭った目で見る。 「京介…」 「かわいそうに…若干涙目だったわよ」 「あれはかなりキツいやろ…」 「敵ながら、同情を禁じ得ないな…」 「だから、何の話だ?」 「「「「………………」」」」 「なんだそのかわいそうなモノを見る目は」 「いや…」 「何がかわいそうって…」 「こんな鈍感を極めたようなやつに引っ掛かっちまった俺らが一番、」 「かわいそうよね…」 「意味がわからない!」 「「「「はぁ……」」」」 「人の顔を見て溜め息を吐くなぁあ!」 その頃のP.A.N.D.R.Aアジト。 「……どうされました、少佐?」 「僕はそんなに人を誘惑するのが下手かな、真木……」 「しょ、少佐!? 一体何が…」 『アンマリ触レテヤルナ、泣キタイ夜モアルノサ、男ニハ…』 「いたのか桃太郎…」 *** 何が言いたいかっていうと、みんなのアイドル皆本さんの鈍感っぷりはもはや凶器ってこと(← H21.4.1作成 ハマった初期のものなのでいろいろと典型的ですね…。 そして小ネタにあるまじき長さ。 H21.11.4 Up
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