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(俺は…誰だ…。ここはいったいどこなんだ…。)
青年はじょじょに意識を回復しつつあった。
自分はいったいどれくらい眠っていたのだろうか?
(…ドー…ン…。シャドー…ン様…。シャドームーン様。)
朦朧とした意識の中、ある言葉が耳に飛び込んできた。
(シャドームーン?何だ、それは?それが俺の名前なのか?)
声のする方向に意識をむけた青年は、白いローブをまとった3つの人影を認識する。
3つの人影は、苦しそうな様子ながら、しきりにシャドームーンという言葉を連呼していた。
3つの人影のうち、一番小柄なローブが顔をあげる。
その顔を見た青年は思わず息をのむ。
その顔はとても人間の物とは思えず、まるでミイラのようであった。
何かを求めるかのように伸ばした指先は砂のように崩れ落ちていく。
(目覚めるのだシャドームーン。)
恐怖を感じた青年の心に威厳のある声が響いてきた。
(恐れる事はない。お前は私の後継者となるのだから。)
青年は恐る恐る尋ねる。
(あなたはいったい…。そして俺は…。)
間髪いれずに答えは帰ってきた。
(我が名は創生王。そしてお前は次期創生王候補、シャドームーン。目覚めるのだ。一刻も速く目覚めてブラックサンと戦うのだ。)
(創生王候補?ブラックサン?)
混乱する青年の肩にバッタが飛び乗る。
バッタの数はじょじょに増えていき、やがて青年の身体を全て覆い尽くすのだった。
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