私の境遇

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「そう・・・。」 そっけなく返した私の言葉ににっこり笑った。 「私、愛って言うの!ナナちゃんよろしくね?」 それからいつも話しかけられて、気がつくと毎日一緒にいた。 2学期が始まった頃、愛ちゃんはこっそり授業中手紙を回してきた。 『昨日、彼氏が出来た!ずっと憧れてた北村先輩に告ったらOKもらっちゃったよう!!!超幸せかも!』 手紙にはそう書かれていた。 私も何回か愛ちゃんから恋バナ聞いていたからうれしかった。 授業が終わると、愛ちゃんは早速先輩の話をした。 私は恋なんかしたことなかったけど、幸せそうな愛ちゃんを見てると羨ましいなぁと思った。 放課後一緒に帰るのだと嬉しそうに語っていた。 それから、先輩の話が増え毎日私は聞き役だった。 初めて北村先輩とやらに逢ったのは二人がつき合って1週間たった頃だった。 「ナナ~!一人?一緒に帰ろう!」 ふいに後ろから声をかけられ振り向くと愛ちゃんと先輩がいた。 「初めまして。愛からナナちゃんの話はよく聞いてるんだ。俺は北村潤。噂以上に近くで見ると美人だね!」 愛ちゃんには悪いがこの男嫌い。最初にそう思った。
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