ルキーノ×ジャン

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ルキーノ…。 部屋の前に誰も居ない。 俺たちはお互い忙しさにかまけて、ここ数日ろくに会っていなかった。 「顔、見たいな…」 呟いて苦笑い。 女々しいぜ、俺。 「…ボス。ボス?」 まだボスって呼ばれ慣れてなくて振り向くまでに数秒要したら、相手はもうすぐ後ろまで来ていた。 全身黒づくめって事はベルナルドの部下か。 手にはコーヒーを乗せたお盆。 ベルナルドが休憩するのに用意させたのかな。 その部下の顔には見覚えがあった。 GDとの抗争中にベルナルドが運転手として付けてくれた事がある。 たしか名前は………。 だめだ。 思い出せない。 まぁ手下Aでいいや。 そんな事をつらつら考えていると手下Aがもう一度話し掛けてきた。 「ボス。髪に赤いものが。怪我でもされたのですか?」 少し心配した声。 マフィアって言っても、俺の周りは良い奴ばかりだ。 こんな些細な事が嬉しく感じる。 しかし赤いもの? 俺は頭を触ってみるが分からない。 「あ、違います。もう少しこちら側」 手下Aが自分の頭を指しながら教えてくれるけど、さっぱりだ。 そこで俺は思い出した。 さっきのイヴァンとのやり取り。 あいつがホットドッグ振り回した時に大量についてたケチャップが飛んだんだ。 にゃろう。 けしかけたのは俺だけど頭の中でイヴァンにパンチしとく。  
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