ルキーノ×ジャン

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手下Aは一生懸命教えてくれるんだけど、見当がつかなくて。 俺は手下Aが見てる辺りをスイッと差し出した。 「え?」 「取って」 躊躇った指が一瞬後、髪に触れる。 汚れと一緒に微かに髪が引っ張られる感覚。 あー、そこね。 その時。 大股開きの足音が聞こえた。 振り向かなくても分かる。 この足音は…。 「ボス!」 心地よく響く重低音が俺を呼ぶ。 ケチャップが取れたであろう頭を持ち上げ振り向くと綺麗にまとめられた赤い髪が目に入った。 相変わらず良い体格してやがるぜ。 「ルキーノ」 部下を二人つれたルキーノが颯爽と前まで来て止まった。 「お帰り」 「只今戻りました。ボス、少しお話が」 部下の手前、ルキーノは絶対に俺を敬う態度は崩さない。 それが少し淋しいなんて俺は我儘だ。 一緒にムショから脱走して。 小さな村の祭りで騒いで。 共に命をはった。  そんな事が、なんだか懐かしく感じる。  
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