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嘘。
今にも泣きだしそうな顔で。
必死に笑みを浮かべながら言う千花。
…こいつは本当にきれいだ。
ずっとずっと思ってた。
いじめられっ子の俺を守ってくれていたあの時から。
汚れを知らない。
そっか。
俺が自分に自信を持てないと…
自分が汚い奴だと…
自覚し始めたころから。
まっすぐで優しくて明るくて。
きれいな千花と一緒にいることが辛くなった。
その頃から、俺は千花に冷たくなった気がする。
「…言いたいことあんだろ?ごまかしてんじゃねえよ」
「……」
俺の冷たい視線と言葉に、無理やり作っていた千花の笑顔は完全に消えた。
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