プロローグ

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“ショウ、いいか? 例えばお前に絶体絶命、人生最大のピンチが訪れた時。 焦らなくても大丈夫だ。 お前を救ってくれる誰かが、必ず現れる。 でもそれはお父さんでも、お母さんでもない。 お父さんやお母さん以上に、大切にしたいと思える人だから。 心配しなくてもいい” 俺が小学生の頃から、親父は酔うといつもこの話をしていた。 その人が存在してるって事実だけで胸があったかくなって、それでいてその人の一挙手一投足に不安になって… 生きてるって実感できるんだって。 そう言われ続けて育ったんだから。 もちらん信じてやまなかった。 俺は必ず運命の人に出会う。 俺のピンチを打ち消して、俺を闇の底から連れ出してくれる。 そんな女に必ず出会うんだって… 信じてやまなかったんだけど…
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