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「…おかえり。ショウ」
「……」
ベットの下のカーペットにただ座っていた千花は、眉を寄せたまま口元にだけ笑みを浮かべて、俺にそうつぶやいた。
何とも表現しがたい空気が流れて、俺は千花から目をそらし、カバンを机の上に置いた。
「…なに」
自分でも嫌になるくらい。
うっとおしそうに、冷たく尋ねながら、勉強机の椅子に腰を掛けた。
俺っていつから千花にこんな冷たくなった?
いつから千花は…
俺をこんな悲しい目でみるようになった?
口をへの字に曲げて。
今度は千花が俺から目をそらした。
「ごめん…
何でもないの。
久しぶりにショウの部屋に来たくなっただけ。
おばさんの顔も見たかったし…」
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