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しばらく自転車をこいで…半分くらい来ただろうか。
そろそろ飽きてくるころ。
「あぁ…眠いな…」
「おい」
「きゃあっ」
突然誰かに話しかけられた。
「あ…悠斗!?」
「やっぱ紗智だ」
話しかけてきたのは、元同中の男子、悠斗だった。
「自転車こぎながら寝るなよな~」
「ねっ…寝てないもん!!」
やっぱり失礼なとこは変わりないんだなぁ…
「学校の方向、同じなんだね」
「ああ。お前も今日テストだったんだろ?」
あたしはうんと言った。
「だめだった?」
「……」
だーかーら!!なんでそう決めつけるかなぁ…
まぁ、ホントのことなんだけど…
「悠斗は相変わらず良さそうね」
「ちげーよ。学校のレベルが低すぎるんだよ」
悠斗はいつもテストの順位の一桁に入るくらいの学力なのに、あたしの学校よりレベルが下の学校にいったみたい。
「なんでそこにしたのよ?」
私は疑問に思った。だって頭のいい人はいいトコいかないと!!
「だって俺、農業関係の仕事がしたいからさ」
……へ!?
なんか拍子抜けする答えだなぁ…
でも…
「夢があるんだね~」
「は!?」
悠斗は驚いて私を見た。
「夢があるのって素敵だよ」
「ば…ちげーよ!!ただ植物が好きなだけだよ…」
「え!?お花とか好きなの!?かわい~」
「か!?…それ褒め言葉になってねえよ…」
悠斗は照れて顔を真っ赤にしていた。
意外にかわいい1面もあるんだな…
なんか…もっとこうゆうとこが見たい。
そう思った、悠斗との帰り道での出来事。
そして…あたしたちの始まり。
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