第1章

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しばらく自転車をこいで…半分くらい来ただろうか。 そろそろ飽きてくるころ。 「あぁ…眠いな…」 「おい」 「きゃあっ」 突然誰かに話しかけられた。 「あ…悠斗!?」 「やっぱ紗智だ」 話しかけてきたのは、元同中の男子、悠斗だった。 「自転車こぎながら寝るなよな~」 「ねっ…寝てないもん!!」 やっぱり失礼なとこは変わりないんだなぁ… 「学校の方向、同じなんだね」 「ああ。お前も今日テストだったんだろ?」 あたしはうんと言った。 「だめだった?」 「……」 だーかーら!!なんでそう決めつけるかなぁ… まぁ、ホントのことなんだけど… 「悠斗は相変わらず良さそうね」 「ちげーよ。学校のレベルが低すぎるんだよ」 悠斗はいつもテストの順位の一桁に入るくらいの学力なのに、あたしの学校よりレベルが下の学校にいったみたい。 「なんでそこにしたのよ?」 私は疑問に思った。だって頭のいい人はいいトコいかないと!! 「だって俺、農業関係の仕事がしたいからさ」 ……へ!? なんか拍子抜けする答えだなぁ… でも… 「夢があるんだね~」 「は!?」 悠斗は驚いて私を見た。 「夢があるのって素敵だよ」 「ば…ちげーよ!!ただ植物が好きなだけだよ…」 「え!?お花とか好きなの!?かわい~」 「か!?…それ褒め言葉になってねえよ…」 悠斗は照れて顔を真っ赤にしていた。 意外にかわいい1面もあるんだな… なんか…もっとこうゆうとこが見たい。 そう思った、悠斗との帰り道での出来事。 そして…あたしたちの始まり。
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