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本当は、私もメアドが知りたかった。
でも…こんなこと言われたら…聞けないよ。
そんなことを考えながら、もうすぐ別れてしまうとこまできた。
「ねぇ」
「うん?どうした?」
勇気を出して話しかけた私を、悠斗は屈託のない笑顔で見た。
怖かった。メアドを聞くのが。
「あのさ…よかったら、メアド教えてくれない?」
あぁ…言ってしまった。
怖い。どんな顔をするんだろう。
私は恐る恐る顔を見上げた。
しかし、悠斗の表情はとても柔らかく、優しいものだった。
「いいぜ。どんどんメールくれよなっ」
悠斗は上機嫌で私のケ-タイにアドレスを送ってくれた。
内心、ほっとした。そして、妙に嬉しくなった。
こんなちっぽけなことだけど、嬉しさはとても大きい…
こんなこと…前にも経験したことがあるよ。
「じゃあな!!また一緒に帰ろうぜ!!」
悠斗はまた満面の笑みで私に手を降りながら、帰っていった。
私は悠斗の後ろ姿を見ながら、胸に手を当てた。
そうだよ…
私…
悠斗に…
恋
した。
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